東京五輪自転車競技マウンテンバイク(女子)代表の今井美穂さんは、現役の小学校教師でありながらオリンピックに出場する、異色の経歴を持つ自転車選手です。
遅咲きのオリンピアンとなった今井美穂さんの経歴、家族、幼少期について調べてみました。
今井美穂さんの学歴・出身校
今井美穂さんはどのような学歴の持ち主なのか、プロフィールから出身校、家族構成、子供の頃のエピソードについて見ていきましょう。
今井美穂さんのプロフィール
氏名 | 今井美穂(いまい みほ) |
生年月日 | 1987年5月29日 |
出身地 | 群馬県富岡市神農原 |
身長 | 161cm |
体重 | 54kg |
血液型 | 不明 |
今井美穂さんの学歴・出身校
今井美穂さんの出身大学は、東京女子体育大学 です。
東京都国立市に本部があり、日本初の女子体育教師養成学校として設立されました。
体育の実技だけでなく、講義についても専門性の高い授業を受けられることで有名です。
特に新体操で多くのオリンピック選手を輩出しており、三浦莉奈さん、原千華さんも卒業生です。
自転車界ではガールズケイリンの太田りゆさん、尾崎睦さんの母校でもあります。
今井美穂さんの出身高校は、群馬県富岡市にある県立富岡東高等学校です。
1980年代には陸上競技の名門女子校として知られており、1983年のインターハイで女子総合優勝を果たしています。
磯貝美奈子さん(七種競技、走り幅跳び)、細山恵里さん(砲丸投げ)もこの学校の卒業生です。
2018年に県立富岡高等学校と統合し、惜しまれながら閉校しました。
出身中学校は同じく群馬県富岡市にある市立西中学校です。
富岡市の中心部からやや西寄りの、妙義山と鏑川の間にある宮崎台地に位置しています。
校区が広く、生徒の1/3が自転車通学を許可されています。
さらに校舎は丘の上にあるため、生徒は毎日急な坂道を登って通学しています。
今井美穂さんも中学生時代にこの通学で脚力をつけたのかもしれませんね。
出身小学校については情報を見つけることができませんでした。
しかし、富岡市神農原地区の「宮公だより」という広報誌に今井美穂さんを応援する記事があり、この地区の出身であることがわかりました。
富岡市の子育て情報サイトに校区一覧が載っており、それによると神農原地区の小学校は市立一ノ宮小学校となります。
地元の小学校に通っていたとすると、今井美穂さんは一ノ宮小学校の出身の可能性があります。
今井美穂さんは子供の頃から走ることが好きで、陸上競技に興味を持っていた小学生時代だったことが知られています。
今井美穂さんの子供時代とご家族情報
今井美穂さんは、どのような子供時代を過ごしたのでしょうか。
またご家族の情報についても調べてみました。
今井美穂さんは小さなころから走ることが好きで、大学を卒業するまで陸上部に所属していました。
小学6年生の頃にテレビで見たシドニーオリンピックで、高橋尚子さんがマラソンで金メダルを取ったことに感動し、自分もああなりたいと憧れるようになります。
中学生になってからは新たに走り高跳びも始め、県大会で入賞の経験もあります。
高校入学後は新たに七種競技を始めました。
これは2日間で7種類の競技(ハードル走・走り高跳び・砲丸投げ・200m走・やり投げ・800m走)を行うもので、筋力・瞬発力、バランス感覚といった多くの力を必要とします。
この頃に築いた身体能力が、現在のマウンテンバイク競技にも生かされているのですね。
陸上に打ち込める環境にいた今井美穂さんですが、ご家族の詳しい情報は公表されていません。
しかし、幼少期から水泳や陸上などの様々なスポーツを経験していることから、スポーツには理解があるご両親だったと思われます。
母の美子さんはインタビューで「五輪が延期になったおかげで、オリンピアンの親をじっくり楽しめている」と微笑ましいコメントを残しています。
明るい、笑いの絶えない家庭で育ったことがうかがえます。
今井美穂さんの経歴
今井美穂さんは、現役の小学校教師であるとともに自転車競技選手であり、オリンピック初出場を手にした珍しいタイプの選手です。
そんな今井美穂さんですが、どのような経緯で自転車と出会い、どのような実績があるのでしょうか。
自転車との出会い
今井美穂さんと自転車の出会いは、小学校教師として働き始めた後の2012年でした。
就職後も趣味でマラソンを続けていましたが、「自転車に乗ればトライアスロンができる」と思いつきます。
友人に誘われて出場したのは、埼玉県で開催されたシクロクロスのレースです。
なんと、小学校への通勤に使っているロードバイクでエントリーしたのでした。
軽い気持ちで出場したのですが、驚くことにそのレースで優勝してしまいます。
これをきっかけに自転車で未舗装路を走る楽しさに目覚め、数々のシクロクロスレースでの表彰台の常連となりました。
25歳からの競技スタートですが「私には無理」と思うことなく、素直な気持ちで取り組める今井美穂さんの姿勢は素晴らしいですね。
経歴・エピソード
シクロクロスで自転車の楽しさを知った今井美穂さんですが、5年後の30歳の時にマウンテンバイク(MTB)に転向します。
転向のきっかけは「シクロクロスをもっとうまく走れるようになりたい」という思いでした。
シクロクロスは未舗装路や障害物があるコースを走りますが、MTBはより悪路が多いコース設定がされています。
MTBに転向後も、走ることが楽しくて仕方なく、思う存分レース生活を満喫していました。
そんな時に東京オリンピックの開催が決まり、MTBも競技種目にあることを知ります。
今井美穂さんは「もしかしたら私もオリンピックに出られるのでは」と考えたのでした。
2017年からはその夢をかなえるために、本格的にMTBレースに出場します。
しかし、オリンピックに出るには選考レースに出場し、ポイントを獲得しないといけません。
教師との両立ができるか悩みましたが、学校の同僚、教え子、保護者にも思いを伝え、海外遠征に行けるようにお願いをし、固い決意で競技生活に臨みました。
自分で退路を断って、オリンピックへの道を切り開こうとしたのです。
平日は教師として働き、練習は夜間や休日、そして土日はMTBの選考レースに出場するという忙しい日々を送りました。
「周りに迷惑がかかるのを承知でオリンピックに行く宣言をしてしまった。生徒たちにもあきらめないことを教えてきた。やるしかなかった」と今井美穂さんは語っています。
主な戦績
東京五輪自転車トラック競技とマウンテンバイク競技会場となったサイクルスポーツセンターのある伊豆市の全世帯に配布された冊子。遅い! pic.twitter.com/xdxsKXql4C
— いずのすけ🚴 (@izunosukeb) June 6, 2018
今井美穂さんは、主にマウンテンバイク競技のクロスカントリー、シクロクロスという種目に出場し、好成績を収めています。
主な戦績は以下の通りです。
【国内レース】
2017:全日本選手権自転車競技大会シクロクロス 優勝
2018-2020:全日本マウンテンバイク選手権大会クロスカントリー 3連覇
【国際レース】
2019:アジアMTBステージレース 優勝
2020:アジア選手権 5位入賞
ミスの少ない安定した走りで定評のある今井美穂さんは、競技者としてのキャリアは短いながらも高成績を残しています。
自国開催のオリンピックで、教え子たちの思いを背中に乗せて、その走りで努力の大切さを教えてくれることでしょう。
まとめ:今井美穂の学歴・出身校と経歴
今回は、今井美穂さんの学歴や経歴、家族についてご紹介しました。
社会人になってから通勤自転車で競技を始め、楽しむことから突然「憧れのオリンピックを目指す」と決めた今井美穂さん。
その行動力には驚かされるばかりです。
オリンピック出場が決まった時、学校関係者・生徒・保護者の皆さんがとても喜んでくれ、感謝の気持ちしかなかったそうです。
その思いを胸に今井美穂さんはこれからも競技に打ち込み、授業では教えられないことを教えてくれると思います。
生徒達だけでなく、私たちにもきっと何かを教えてくれるはずです。
今井美穂さんの熱い走りに期待しましょう。