「ロードバイクを買ったけど、ふらついてばかりで怖い。どうすればうまく乗れるようになるの?」
「他の人は軽々とペダリングしているのに、私だけいつも筋肉痛になるのはなぜ?」
普段ママチャリを乗りこなしていても、ロードバイクはサドルやハンドル位置が違い、怖くて乗りこなせない、とお悩みのロードバイク初心者も多いのではないでしょうか。
この記事では、ロードバイク初心者におすすめの基礎練習と、乗りこなすためのトレーニング方法、練習時の注意点を紹介します。
ロードバイクはシティサイクルとは全く違った特性を持ち、乗り方も別物だと言われています。
練習に便利なアイテムや、実走時の注意点もお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ロードバイク初心者の練習前に確認すること
長野でサイクリング
夏休みっぽい!
明日はヒルクライム pic.twitter.com/KI5s6Ot9VX— tom’s cycling (@toms_cycle) June 4, 2022
憧れのロードバイクを手に入れて、すぐに公道を走るのは不安ですよね。
不安をなくし、安定してロードバイクに乗るためには、練習が必要なのです。
初心者が安全にロードバイクに乗るためにも、これから紹介する準備をして、まずは練習から始めましょう。
練習で恐怖心をなくそう
高いサドルに低いハンドル、前傾姿勢で乗るロードバイクは視線も低く、初心者のうちはとても怖く感じるものです。
恐怖心をなくすには、まずは抵抗感の少ないポジションで乗ってみましょう。
またがったままでもつま先が地面につくようにサドルを下げたり、ハンドルの高さを上げたりすることで、ずいぶんと気持ちも楽になります。
ショップスタッフに相談すれば、怖さを感じにくいポジションを提案してくれますので、安定したポジションで練習を始められますよ。
練習場所を探す
初めての乗り物で公道を走るのは怖いものです。
かといって歩道ばかり走るのも迷惑がかかりそうで、気が引けますよね。
発進や旋回などを練習する場合は、車が通らない広い場所を探してみましょう。
安定して走れるのはアスファルトなどの舗装路ですが、転倒が心配な場合は、草や土などのやわらかい路面でもかまいません。
※走行が禁止されている公園や駐車場などには、入らないようにしてください。
同じ場所で、繰り返し基本の動きを練習することで、だんだんとロードバイクにも慣れてきますよ。
自分に合った練習メニューを作る
自分が苦手なこと、できないことを洗い出し、オリジナルの練習メニューを作りましょう。
上手く曲がれないなら、広い場所で小回りの練習、ライドに出ても途中でバテてしまう場合は、ペダリングの見直しや基礎体力を上げるメニュー、など。
何を練習したらいいのかわからない場合は、ライド仲間やショップスタッフなど、あなたの走りを客観的に見てくれる人に相談してみましょう。
自分では気づかなかった、的確なアドバイスがもらえる場合もありますよ。
練習に必須アイテム
練習メニューにより必要なアイテムは異なりますが、基本は「普段乗るのに使っているもの」で十分です。
屋外で練習するなら、ヘルメットやグローブは装備しておきましょう。
また、長袖、長丈パンツで練習すれば転倒時の擦り傷を軽減できます。
肘や膝を守るプラスチック製のパッドもありますが、操作の妨げになることもあるため、スポーツ店などで試着してから検討してみてください。
ロードバイク初心者の練習方法 基礎
ママチャリとは操作や乗車姿勢も大きく異なり、スピードも出るロードバイクは、慣れるまでは怖く感じ、「私には無理!」と心が折れてしまうローディーも見かけます。
ここからは、ロードバイク初心者が苦手とする基本操作について、どのように練習すればよいのかを見ていきましょう。
走り出し
ロードバイクはサドルが高くタイヤが細いため、初心者は発進時にふらつきがちです。
うまく走り出すコツは「サドルに座らない」こと。
トップチューブ(ハンドルとサドルをつなぐフレーム)にまたがり、利き足をペダルに乗せ、角度を時計の14時の位置に合わせます。
※利き足が右の場合。左の場合は反転(=10時)させてください。以下同じ。
そのままゆっくりペダルを踏み、バイクが前進するのと同時に立ち上がる要領で背筋を伸ばしましょう。
自然ともう片方の足が地面から離れますので、そのままペダルに乗せてください。
この練習を繰り返すことで、発進時のバイクの動きがつかめるようになりますよ。
・ペダルはそーっと踏み込む
・バイクが動き始めたら、背筋を伸ばす
コーナリング
前傾姿勢のロードバイクでは、コーナリングにもテクニックが必要です。
コーナリング時には「視線は遠くを見る」ことを意識しましょう。
曲がるのが怖くて、つい近くを見てしまいがちですが、これは逆にふらつく原因になります。
一般的なガードレールの場合、3枚程度先のものを見ると、スムーズに乗れることが多いと言われていますので、参考にしてくださいね。
また、コーナリングの際は、外側の足をのばし、荷重をかけることを心がけましょう。
内側の足をのばしていると、地面に接触する可能性があり、転倒しやすくなります。
・外側の足を延ばして荷重をかける
変速
ロードバイクにはクランク(ペダルがついている歯車)と後輪に多くのギアがついています。
左右のレバーについたシフターを使って、ディレイラーという変速機を動かし、適切なギアに入れることで、路面状況に合わせたスムーズな走りができるのです。
※車種によってはシフターの位置が異なる場合もあります。
前後のシフターを組み合わせるのは難しいので、初心者のうちはフロントのギアはアウター(大きい方)にしておき、リアの変速だけで走る練習をしましょう。
どのメーカーのギアでも、リアのギアは大きいほど軽くなりますが、スピードは出ません。
平地の場合、真ん中あたりのギアで発進し、加速に合わせてアウター(小さい方)に変速していくとスムーズに走れます。
余裕が出てきたら、停止時にギアをインナー(大きい方)に動かしておくと、次の発進時も楽チンです。
ギアの場所 | ギア(大)←→ ギア(小) | どう使う? |
フロント | ペダル重い ←→ 軽い | 平地ではギア大、上り坂は小 |
リア | ペダル軽い ←→ 重い | 平地ではギア中~小、上り坂は大 |
変速で注意しないといけないのは、「ギアを前後でたすき掛け(斜め)にしない」ことです。
具体的には、
・フロント:アウター(大)+リア:インナー(大)
・フロント:インナー(小)+リア:アウター(小)
の組み合わせはNGで、車体やチェーンに負荷がかかり、最悪の場合はパーツの破損につながりますので注意しましょう。
はじめのうちは操作方法を覚えるだけで精一杯になりがちです。
安全な広い場所で、体が自然に動くようになるまで練習するのがいいですね。
・最初はリアだけの変速で練習
・たすき掛けはしない
停止
初心者の中には「発進よりも停止の方が怖い」と言う人もいます。
ロードバイクに限らず、停止ができないと事故につながりますのでしっかり練習しておきましょう。
まずは広い場所で停止したい位置を決めます。
路上の白線やガードレールなど、目印を決めておくといいですね。
両手でブレーキをかけながら、おへそのあたりに力を入れる感じでゆっくりと減速しましょう。
停止寸前にゆっくりと腰を上げて前にずらし、利き足と逆の足をペダルから離して停止します。
フレームをまたいで立った状態になるのが、正しい停車方法です。
停止の際には「ブレーキを強くかけ過ぎず、じわっと握る」ことを意識してみてください。
※一般的な停止の場合。緊急時はこの限りではありません。
一気にブレーキをかけるとコントロール不能になり、転倒する危険性もあります。
最初は低速から練習していくと、怖さも少なく、停止の感覚が身につきやすいですよ。
・ブレーキはスピードをコントロールしつつ、じわっとかける
・止まる寸前に腰を上げて、前に移動する
ロードバイク初心者の練習効果をアップさせるトレーニング
久しぶりに金華山トレーニング🚴♀️#ロードバイク#ロードバイク乗りと繋がりたい #ロードバイク好きと繋がりたい
#岐阜#ヒルクライム pic.twitter.com/vwNDIlsTZO— ひろ@ロードバイクFELT (@hero_cycling) December 19, 2021
操作方法やライディングテクニックを身につけるだけでは、ロードバイクをうまく乗りこなせないこともあります。
ここからはロングライドやレースイベントにも対応できる、基礎的なトレーニング方法を見ていきましょう。
基礎筋トレ
ロードバイクは下半身の強化が必要だと思われがちですが、実は上半身の筋肉も大切なのです。
ペダルをこぎつつ上半身でブレを抑え、体重移動も頻繁に行うために背筋も要求されます。
また、基礎的な筋トレを行うことで、ケガを防止できるとも言われています。
初心者が鍛えるといいと言われている場所は、
- 上半身:腹筋、背筋
- 下半身:ヒップ、ハムストリング(太ももの裏)、ふくらはぎ
です。
特別な道具が不要なトレーニングから始めてみましょう。
場所 | おすすめのトレーニング | 期待できる効果 |
腹筋 | クランチ、レッグレイズ | ふらつき防止 |
背筋 | バックエクステンション | バイクコントロールの向上 |
ヒップ | スクワット | 脚力の向上 |
ハムストリング | ヒップエクステンション | ペダリングの向上 |
ふくらはぎ | カーフレイズ | 持久力アップ |
長距離をゆっくり走る
自分の体の弱点がどこにあるのかを確認するには、長距離をゆっくり走るのが一番わかりやすいでしょう。
LSD(Long:長い、Slow:ゆっくり、Distance:距離)と言われる走法は、体への負担も少なく、持久力向上にも効果的だと言われています。
ズバリおすすめは「川沿いのサイクリングロード」。
川沿いのサイクリングロードは、ほぼ車両進入禁止になっており、安心して走れます。
また、路面もきれいに舗装されていることが多く、走りやすいのです。
楽しみながら走った後は、筋肉痛をおこしたり、つらいなと思った場所を確認し、そこを重点的に鍛えてみましょう。
瞬発力を鍛える
走行中にとっさの判断を必要とするロードバイクでは、瞬発力を鍛えることも大切です。
おすすめは「インターバルトレーニング」と呼ばれるもの。
これは、全力で20秒トレーニングを行い、10秒休憩することを8回繰り返すトレーニング方法で、メニューは短距離走、腕立て伏せ、腹筋など、何でもかまいません。
どこでも気軽にできるものなので、自分に合ったメニューを探してみてください。
ジムでトレーニング
本格的に筋トレをしたいなら、ジムに通うのもいいですね。
トレーナーに「ロードバイクに乗るための体を作りたい」と相談すれば、適切なトレーニング方法を教えてくれますよ。
また、ジムにあるエアロバイクを試してみるのもおすすめです。
脚にかかる負荷を変えられるものや、自分の脚力をワット数で表示してくれるマシンもあるなど、実際のロードバイクとはまた違った楽しみ方ができるでしょう。
有酸素運動
ロードバイクでは長距離を乗ることも多く、体力や持久力が必要とされます。
体力、持久力をつけるには有酸素運動がいいと言われています。
もちろん、ロードバイクも有酸素運動なのですが、時には水泳やエアロビクス、ジョギングなどといったトレーニングで気分転換をはかるのもよいでしょう。
自宅で気軽に有酸素運動を行うなら、縄跳びや階段昇降がおすすめですよ。
ロードバイク初心者の練習における注意点
ロードバイクは公道を使う乗り物のため、道路交通法を守って安全に走る必要があります。
初心者のうちは公道を走るのは怖いと感じますが、練習をする際の注意点をおさえておきましょう。
飛ばし過ぎない
ロードバイクに慣れるまでは、飛ばし過ぎないことを心がけましょう。
思わぬ交通事故を避けるためにも、自分が制御できるスピードで乗ることが大切です。
練習に付き合ってくれる仲間を探して、ゆっくり先導してもらうのも、走行ペースをつかむいいトレーニングになりますよ。
焦らない
ロードバイクを手に入れると、早く上手に乗れるようになりたい、みんなと同じように乗りこなしたいという気持ちが大きくなるものです。
しかし、焦れば焦るほどペースが乱れ、自分の思いとは程遠いライドになってしまいます。
まずは乗り降りや発進、停止といった基礎的なテクニックを身につけることを心がけましょう。
基本動作が自然にできるようになれば、路上でも余裕をもった危険回避が可能で、気がつけばスムーズに乗れるようになっているはずです。
無理をしない
初心者のうちは無理をせず、自分の体力が許す範囲で練習を行いましょう。
慣れる前からロングライドに出たり、無理な力でペダリングを続けたりすると、体に負荷がかかることもあります。
バイクに慣れるためにも軽いライドを繰り返し、最適なポジションを見つけることに集中してもいいでしょう。
しんどいな、乗りたくないなと思ったら、思いきって休むことも大切です。
ロードバイク初心者の練習のまとめ
ロードバイク初心者はどんな練習をすればいいのか、トレーニング方法や注意点について紹介しました。
安定して乗れるようになるためには、ライドの技術だけでなく、ロードバイクを楽しめる体作りも行うとよいでしょう。
最初は誰でも初心者ですから、焦る必要はありません。
基礎練習を行い、少しずつ距離を伸ばして、ロングライドやレースを目指してみてくださいね。